お値段も比較的安価で手に入りやすい、といった印象があるかもしれません。
Avonで一番注目すべきピースは有名デザイナーを起用したラインではないでしょうか。
Avonは1886年にDavid McConnellによってスタートした本を訪問販売する会社でした。
顧客に本の購入のお礼に香水のサンプルを渡していたところ客層である主婦が本より香水に興味を示し始め事業を香水メインに変更します。たった5種類の香水からでしたが大変評判になり、セールスレディーを多数雇用し売り上げを上げていきました。
1920-1930年までAvon Productsの名前でバニティーや歯ブラシなどの販売も始めます。
1939年社名をAvonに変更。
ジュエリーの販売を始めたのはさほど遠い昔でもない1971年。
練り香水を入れることのできるブローチを販売したところ大変好評でその年、無名のデザイナーによる “precious Pretender”のジュエリーを販売します。これによりAvonはコスチュームジュエリーの会社としても認識されるようになります。
1971年の初めてのジュエリーは練り香水を入れることができる梟のブローチ
1971年無名のデザイナーによる”precious Pretender”
1970年台半ばから80年台にかけてのピースはコレクターにも人気があります。
Avonのほとんどのジュエリーにはsarah Coventry同様名前がついています。このため今でもAvonのジュエリーは比較的探しやすくなっています。
Avonは他のジュエリーカンパニーにデザインを依頼することもありました。ジュリアナやTrifariです。TrifariはAvonの100周年記念ジュエリーをデザインしています。
100周年記念にTrifariがデザインしたブローチ。
1973年 ジュリアナによるデザインのタッセルラリアット
そしてAvonでも最もコレクトバリューの高いお品がKJLこと、ケネスジェイレーン、Jose Maria Barrera, 女優のエリザベステイラーが手がけたジュエリーです。
エリザベステイラーのラインはエリザベス自身が出演した映画や自身のジュエリーコレクションにインスパイヤされたもので大変華やかなものが多く見られます。
Jose Maria Barreraによるネックレスはとてもレア
Louis Feraudによる”Blossoms of Spring” 1984
KLJ ケネスジェーンレーンによる1989年のピース Midnight Rose
Avonの刻印がなくKJLのみです。
比較的新しいピースでコレクターに人気なのが非売品であった孔雀のブローチ。
エイボンのホステス(商品を売るセールスレイディー)へのギフトとして作られたもので、
華やかなラインストーン、質、デザイン性ともに評価の大変高いピースです。
アンサインピースもいくつか後期に見られます。
基本的にエイボンのジュエリーバリューは特定のデザイナーのものでない限り、ユニークさ、デザイン性などで価値が決まる傾向があり、華やかであるほど高価になっています。