Lisner & Richelieu リスナーとリシュリュ

Lisner & Richelieu リスナーとリシュリュ

 

個別に書こうとも思ったのですが、後期にこの2つは1つの会社になるので、まとめて書いていきます。

Lisnerジュエリーの魅力と歴史

最近になって注目を集めるようになったLisnerジュエリー。これまでは他の有名ジュエリーブランドに隠れていた存在でしたが、実はその歴史は非常に長いものです。特にコレクターの間では、次第にその価値が認められつつあります。

1. Lisnerの誕生と成長

Lisnerは1904年、ニューヨークでジュエリーの卸販売会社として設立されました。当初はヨーロッパから輸入したジュエリーや他ブランドのジュエリーの製造、さらにはノベルティーの製造も行っていたこの会社は、ジュエリーブランドとして20世紀で2番目に古い会社です(1番古いのは1902年設立のCoro)。

20年代に入ると、Lisnerは初めてオリジナルジュエリーを販売。「Lanvin’s Violet」として販売されたこのコレクションから、少しずつジュエリーブランドとしての知名度を高めていきました。

2. Elsa Schiaparelliとの提携

第二次世界大戦前、Lisnerはフランスの著名ジュエリーデザイナー、Elsa Schiaparelli(エルサ・シアパレリ)の正式なアメリカ代理店としても活動を開始。これにより、彼女のデザインを取り入れたジュエリーを製造・販売し、さらにブランドの地位を確立しました。

3. 1930年代から40年代にかけて

30年代には、自社初の「Lisner」刻印が入ったジュエリーを販売し、これが本格的にブランドとして認知されるきっかけとなります。製造は自社だけでなく、ロードアイランド州のジュエリー工場でも行われました。

40年代には、Lisnerは質が良く、しかも大衆向けの価格で販売することにより、広く認知されるようになり、コストパフォーマンスの良いジュエリーブランドとして、特に中産階級の女性に支持されました。この時期のヘッドデザイナーは、Coroでの経験を持つSelwyn Youngであり、彼の豊富な知識とノウハウが、Lisnerジュエリーのクオリティに大きな影響を与えました。

4. 50年代の新素材ルーサイトの登場

そして50年代に入ると、DuPont社によって発明された新素材「ルーサイト」がLisnerジュエリーに登場します。この素材は低価格であるため、特に中間層や労働者層をターゲットにした商品に使われました。さらに、Lisnerのルーサイトの使い方は他ブランドをしのぐほど優れており、特に自然をテーマにしたモチーフでは、その色使いや造形、ラインストーンとの組み合わせが非常に洗練されていました。オーロラストーンを取り入れたデザインも多く、土台にはゴールドやシルバーのメタルが使用されることが一般的でした。

5. Lisnerの魅力を今こそ再発見

このように、Lisnerはその時代ごとに革新的なデザインや素材を取り入れ、時代のニーズに応えてきました。特に、50年代のルーサイトや自然モチーフのデザインは、今もなおジュエリーコレクターや愛好者に高く評価されています。Lisnerのジュエリーはその洗練されたデザインと実用性から、多くの女性たちに愛されてきました。今後もその魅力が再評価されることは間違いありません。

”最もコレクトバリューの高いお品”とも言われるOakシリーズは数色展開。

 

60年代のLisnerジュエリー:華やかなデザインと手頃な価格

Lisnerジュエリーは、1960年代にそのデザインに革新をもたらし、ジュエリー業界で確固たる地位を築きました。この時期、Lisnerはメタルにガンメタルのメッキやエナメル加工を施した新しいピースを発表し、ラインストーンをふんだんに使った華やかなデザインが特徴的でした。特にラインストーンを活かした作品は、視覚的にインパクトのあるものが多く、華やかな装飾が多くの女性に愛されました。

1. メタルとエナメルの新しいアプローチ

60年代のLisnerジュエリーは、従来のデザインに新しいテクニックを取り入れました。特にガンメタルのメッキが施されたメタルパーツやエナメル加工が施されたピースが多く見られ、この時期のLisnerジュエリーはより現代的で洗練された印象を与えました。

2. 華やかなラインストーン使い

この時期、Lisnerはラインストーンをたっぷり使った華やかなデザインを展開しました。色とりどりのストーンが繊細に組み合わされており、これらのジュエリーはどれも視覚的に豪華で目を引くものでした。ラインストーンを中心に据えたデザインは、当時のトレンドに合った輝きを放ち、普段使いにも特別なイベントにもぴったりのアイテムとなりました。

3. 高級ブランドに匹敵するデザイン性

Lisnerのジュエリーは、特別に高い品質というわけではありませんでしたが、そのデザイン性は他の高級ジュエリーブランドに引けを取ることはありませんでした。価格が手頃であったことから、広範な層の女性に支持され、特に中間層や労働者階級の人々にも手が届く価格帯で人気を集めました。

4. 人気の理由と現在の評価

Lisnerジュエリーの魅力は、何と言ってもそのデザイン性とコストパフォーマンスの良さです。高価なブランドに比べて手に入れやすい価格でありながらも、華やかで洗練されたデザインは高級感を感じさせます。現在も多くのコレクターがLisnerのヴィンテージジュエリーを愛し、その美しさを楽しんでいます。

60年代のLisnerジュエリーは、まさに時代の波を捉えたデザインを展開し、今でもその魅力は色あせることなく、多くのジュエリー愛好者の間で評価されています。

 

 

Richelieu: イミテーションパールと高品質ジュエリーの象徴

Richelieuは、1911年に設立された**Joseph H Meyer Boss Co.**のジュエリーブランドで、特にイミテーションパールやカラーパールを使用したコスチュームジュエリーで知られています。イミテーションパールのクオリティが非常に高く、その美しさと艶感は本物のパールに匹敵するほどの完成度を誇ります。特にパールジュエリーを得意とし、上品で華やかなデザインが特徴的です。

Richelieuジュエリーの魅力

Richelieuのジュエリーは、色合いと艶の美しさで他のブランドを圧倒することができ、パールのようなイミテーション素材でも上質なものを作り上げる力がありました。特に、イミテーションパールは、見た目の美しさはもちろん、使用感にも優れ、ファッションジュエリーとしての地位を確立しました。

Richelieuのパールは、主に日本から輸入されたものを使用しており、1933年には養殖真珠を使用したラインも発表しています。この時期、世界的にも養殖真珠の需要が高まっていたため、Richelieuのジュエリーはそのトレンドにうまく適応し、さらなる人気を博しました。

1. RichelieuとLisnerの関係

1965年、RichelieuはLisnerによって買収され、Lisnerの「高級ライン」として販売されるようになりました。Richelieuの美しいイミテーションパールを使ったジュエリーは、Lisnerが手掛けるコスチュームジュエリーの中でも一線を画す高級感を提供し、多くのジュエリー愛好者に愛されました。なお、RichelieuがLisnerに買収された正確な時期には諸説あり、1965年説が最も信憑性が高いとされていますが、50年代後半や70年代説も存在しています。

2. 変化と終焉

1978年には、Richelieuは社名をLisner-Richelieuに変更し、ジュエリーブランドとしての新たなスタートを切ります。しかし、残念ながら1979年にその歴史に幕を下ろしました。

3. Richelieuの刻印

Richelieuのジュエリーには、いくつかの刻印が見られます。代表的なものには「RCHL」、「Richelieu」、「Treza」、「Richelieu Satinore」などがあります。また、Lisnerに買収された後のRichelieuジュエリーには、「Lisner」や「©Lisner」の刻印が見られることもあります。特に、ネックレスのエクステンション部分に付けられたチャームの形状から、特定することができます。

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